内田樹

読書2010

『日本辺境論』読書記録

~ 私が現在のこのような状態(歯が痛かったり、腹回りがだぶついて きたり、血圧が上がったりしている状態)にあることを『 かくあるべき状態からの逸脱』ととらえず、『まあ「こんなもの」 でしょう』と涼しく受け入れる。 ~ 純粋状態の、ベスト・コ...
読書2010

『街場のアメリカ論』読書記録

『腐る文章』と『腐りにくい文章』の違いをひとことで説明するの はむずかしい。『腐る』というのは言い換えると『経済的に凡庸性が ない』ということである。 つまり、例えば、今から二十年前の読者や今から二十年後の読者と いうものを想定したときに、...
読書2010

『街場の現代思想』読書記録

『敬』 という漢字の原義は『身体をよじる』という意味だ。 人間がどういう場合に身体をよじるのかを想像してほしい。 足が地面に固着しているときに、何か『危ないもの』が接近してくる と、人間は身体をよじる。死球をぎりぎりで避けるばったーの姿を ...
読書2010

『邪悪なものの鎮め方』読書記録

幼児とは『過去の私』のことであり、老人とは『未来の私』のことで あり、病人や障害者は「たまたまある分岐点で『あっち』にいった私」 である。 私たちは時間差を置いて、あるときはこの『十字架』を担う側に まわり、あるときは『十字架』として担われ...
読書2009

『こんな日本でよかったね』読書記録

~ 『いいよ、これはオレがやっとくよ』という言葉で未来のカタストロフ は未然に防ぐことができる。けれどもカタストロフは『未然に 防がれて』しまったので、誰も『オレ』の功績を知らない(本人も 知らない)。 そういうものである。 成果主義は、こ...
読書2009

「下流志向」読書記録その②

でも、親の仕事というのは、本来子どもの発信するノイズをシグナルに 変換することだと思うんです。 ~  自分にはまだ理解できないけれど、注意深く聴いているうちに理解 できるようになれるかもしれないメッセージに対して、敬意と忍耐を もって応接す...
読書2009

「下流志向」読書記録

どうして、子どもたちはまず『それが何の役に立つの?』という 功利的な問いを口にするようになったのか。 ~ 今の子どもたちと、今から三十年前ぐらいの子どもたいの間の いちばん大きな違いは何かというと、それは社会関係に入って いくときに、労働か...
読書2009

『橋本治と内田樹』読書記録

ものすごく頭を使う人は、毎日判で捺したような同じことを繰り返す ような生活になるんじゃないかと思って。 だって、いろんなことが毎日変化してると、それに対応するのに けっこう頭のエネルギーを使うじゃないですか。 だから知的パフォーマンスを最高...