河合隼雄

読書2010

『臨床とことば』読書記録

たとえば、ある少年が家出し、非行グループに入っていたが窃盗 でつかまって、私が会うとする。 私が聴く態度で接していると、彼は自分の父親が酒ばかり飲んで、 自分のことを何もかまってくれなかったと訴える。 そのときに、どんな応答があるだろう。 ...
読書2009

「『日本人』という病」読書記録

ですから、おもしろい言い方をしますと、好きになる相手とは、 一致するところと補い合うところとの両面があるような気がします。 そして、非常に割りきった言い方をさせてもらうならば、この 共通部分というのは関係を維持していくのに役立っている。 相...
読書2009

『いじめと不登校』③読書記録

日本人は能力差の観念がないので、順番がつけられなかった。 身分を残したのはそのためである。 ~ 現代において大学へ行くのも身分を獲得するためである。 つまり、能力を獲得するためではなく、身分の獲得が大学の目的で あるところに問題がある。 「...
読書2009

『いじめと不登校』②読書記録

皆さん、個性、個性とやかましく言いますが、個性って教える ことができませんね。 その子がそれしかできない、というのは教えようがない。 「いじめと不登校」  河合隼雄 著 個性を大切にすることが難しいのは、教えられないからなんです。 教えたら...
読書2009

『いじめと不登校』①読書記録

実は、これは、今まで孤立していた子の、『親しくしたい』という 気持ちのあらわれなのである。残念ながら、この子は自分の感情を うまく表現できない。 そこで、つねると、つねられた子は『痛い』と言って自分の方を 見たりして、ともか関係ができるので...
読書2009

『神話と日本人の心』読書記録

日本神話の特徴は、中心に無為の神が存在し、その他の神々は部分的な 対立や葛藤を互いに感じ合いつつも、調和的な全体性を形成している ということである。 それは、中心にある力や原理に従って統合されているのでなく、 全体の均衡がうまくとれているの...
読書2008

『神話の心理学』読書記録

日本の伝統的な生き方によると、人は家族、世間、地域などのなかで、 なんとなくつながって生きてきた。自分を取りまく事物とも関係が あった。これは安心感という上では望ましいことだが、「個人の自由」 ということを考えだすと途端に大変な「しがらみ」...
読書2008

『父親の力 母親の力』読書記録

ほんとうの個人主義の国では、小さいときから訓練を受けています から、昨今の日本などとは根本的に違います。子どもに対する 責任感を持たせるための訓練は、すごくきびしく行われます。 ところが日本では、どうせ大人になったら親と同じように苦労を 背...