自己表現にはSNS映えする上腕二頭筋がおすすめ

SNSを眺めているとアイデンディティの表現方法が物やお金に少し偏り過ぎているんじゃないかと思います。

どこに住んでいるか、どこに食事に行ったか、どんな車に乗っているか、どんなブランドの服を着ているか。
でも少し視界を広げると、同じようなところに住んで食事して車乗って服着て生活している人が大勢出てきます。

自分だけではなく他人も持っているものであれば、世界にただ一人存在する自分を表現するアイテムとしては少し弱いかもしれません。インスタグラムで紹介しても商品カタログのようになってしまうかもしれませんし。

高級なものって品質が良いから使ってみたいものたくさんありますし、どんな組み合わせで持っているのかでその人のセンスも見えますけれど。

  当然、ジェームズは大金を稼いでいる。そして、まわりにはそれ以上の大金持ちがぞろぞろいる。親友のひとりはペイパル(PayPal)の創始者で、何千万ドルもの財産を持っているくらいだ。しかしジェームズは、自分の人生と比較するまわりの輪を大きくするのではなく、小さくする方法を心得ている。ジェームズはまず、ポルシェのボクスターを売って、かわりにトヨタのプリウスを買った(4)。ジェームズは《ニューヨーク・タイムズ》紙にこう語っている。“〝ボクスターの生活を送りたいとは思いません。だって、ボクスターを手に入れたら、つぎは911に乗りたくなりますからね。その911を持っている人たちが何に乗りたがっていると思いこれは、わたしたちみんなが活用できる教訓だ。人は持てば持つほどいっそう欲しくなる。唯一の解決策は、相対性の連鎖を断つことだ。
予想どおりに不合理: 行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

また別の本で読みましたけれど、こういうお話は自家用ジェット機まで続いていくそうです。やはり商品を介しての自己表現には限界がある気がします。

だから、アイデンティティの表現として自分の上腕二頭筋なんかを用いるのが有効なんじゃないかと割と真面目に思っています。

こんなにトレーニングして太くなった上腕二頭筋!、脂肪が落ちて筋肉のカットがキレキレの上腕二頭筋!!、子どもが二人ぶら下がっても大丈夫!!!みたいな。

もちろん大胸筋や下腿三頭筋でも良いと思います。
インスタグラムで日々アップしたら某Gジムの方のフォロワーが増えそうです。
妻の同僚のムキムキの旦那様は、ジムで男性にばかり声をかけられトレーニング方法など細かに聞かれモテモテのようです。

日々、商品の話ばかりして相対的に消耗するのはよくありません。
車やブランドの話になったら話の流れを上腕二頭筋に持っていくようにしましょう。上腕二頭筋について嬉しそうに熱く語るとだいたい相手は興醒めしてくれます。
(お金は社会で生活するために大切ですから筋トレに逃避してはいけませんが、体力つけば今より稼げるようになります。)

上腕二頭筋の例えは極端でしたが、自分の拠り所が金銭的なもの以外に、肉体や知識、家族やコミュニティにもあればもっと生活が豊かになるんじゃないでしょうか。