普及学の基礎理論として知られるエベレット・M・ロジャーズ(Everett M. Rogers)のモデルでは、顧客は「イノベーター」「アーリーアダプター」「アーリーマジョリティ」「レイトマジョリティ」「ラガード」の5つの採用者タイプに区分される。この理論ではイノベーターとアーリーアダプターを合わせた層に普及した段階(普及率16%超)で、新技術や新流行は急激に拡がっていくとしている。そこで、イノベーターとアーリーアダプターにアピールすることが新製品普及のポイントであるとされてきた。
僕は若い頃ロジャーズのモデルなど知りませんでしたが、今思い返せばイノベーター、アーリーアダプターの方にも満足してもらえるように運動指導や施術ができることを目標にしていました。知識も体力も充実した働き盛りの年代の方にも納得、満足してもらえるようにしないと自分が成長していかないからです。
すなわち、キャズム理論ではアーリーアダプターとアーリーマジョリティでは要求が異なっており、キャズムを超えてメインストリーム市場に移行するためには自社製品の普及段階に応じて、マーケティングアプローチを変えていくことが必要だと説いている。
最近、必要以上に変顔をするテレビCMが増えていると感じているのは僕だけでしょうか。そんな統計はとれないから正確にはわかりませんが僕にはそんな気がしてなりません。
CMだから過剰なほどの大げさな表現が必要なのかもしれませんが、過剰すぎて少し不快に感じるものもあり、テレビから遠ざかってしまいます。
昔はロジャーズのモデルでは、『イノベーターとアーリーアダプターにアピールすることが新製品普及のポイントであるとされてきた。』わけですが、キャズム理論によって、企業はイノベーターやアーリーアダプターにアピールするのではなく、頭数の多いマジョリティ層にダイレクトにアピールするようになりました。
本、テレビ、CM、政治演説もキャズム理論を取り入れているのではないかと思います。
僕自身は、見ていてバカにされているようで不快に感じる表現もたまにあるのですが、高い数字を取るためには今放映されている方法がおそらく正解なのでしょう。
しかし、もしこのキャズム論の『溝』=『格差』だとしたら、この企業が数字を取るための正解を続けていくことで『溝』がどんどん深くなっていくような気がして心配です。
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