『毎月新聞』読書記録

『ブーム断固反対』

ブームとは扇情的な力による消費の爆発的拡大である。
そのとき、個人個人は、その商品の本来の価値よりも、『その商品を
手に入れるかどうか』が大きな価値基準となり、人々は手に入れる
ことによってかなりの部分で満足させてしまう。ブームとは、
そのように中身を置いてきぼりにしてしまう記号的消費なのである。

「毎月新聞」 佐藤雅彦 著

『6月37日』
 ~
次の新しい枠組みを無意識に自分の中に持っている真の改革派の人と、
本当はそんなものはないのに、何かありそうに見せるため、意識的に
型破りなふりをしている人です。

前著より

情報操作の行き届いた現代社会を上手く表現していると思う。
「ピタゴラスイッチ」、「団子三兄弟」、「バザールでござーる」などの
考案者の著者。

タイトルの一つ一つに印象的で、読んだ時の響きやリズムが気持ち良かった。
『じゃないですか禁止令』、『単機能ばんざい』、『文字が出す騒音』、
『七回の裏、接待の裏』などなど。

印象的なのにいやらしくないし、内容もしっかり詰まっている。
こんなふうに言葉が使えたら気持ち良いだろうな。イラストも上手で
かわいく、視覚でも表現できるのが凄い。

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