『斎藤孝のざっくり世界史』読書記録

シュレーバーの父親は、ドイツの有名な教育学者なのですが、
愛する息子を熱心に教育するあまり、常軌を逸した教育法を
するようになります。
居眠りさせないようにまぶたを引っ張るような機械を作ったり、
背筋を伸ばすための機械を作ったりと、肉体的にも精神的にも
彼を縛りつけるようなものまで使って教育するのです。

シュレーバーの父は、合理的なものを求めすぎるあまり、それを
息子の身体に強制し、結局、息子の精神を壊してしまいました。
これはそのまま、近代化という言葉のもとに、ひたすら合理性を
求めた西洋文明に対する警告と受け取ることができます。
人間というものは合理性だけでできているわけではありません。
合理性や生産性といった功利的なものばかりを追い求めて
しまうと、人間は壊れていってしまうのです。

『斎藤孝のざっくり世界史』  斎藤孝 著

養老先生が著書で、『子どもは自然だ』と言っていました。
自然は自分の思い通り『にコントロール』することはできないから、
『手入れ』をしていくという思想が大切だ、という考え方です。
私もこの考え方がとても好きです。

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