多田先生は『サプレッサーT細胞』を発見した世界的に有名な先生だそうです。
教科書や専門書に頻繁に登場するこの細胞を発見したのは日本人の
先生だったんですね。
学校でも免疫学は少しだけ勉強しましたが、残念ながらあまり頭に
残っていません。授業は、ひたすら細胞の名前を暗記すると
いうようなものでした。
この本には、免疫学の歴史の説明や、研究風景などが盛り込まれていて、
とても興味深く読み進むことができました。
一番印象に残ったのが下の言葉です。
私たちが自己というものを確立してゆくときにも、好奇心のレセプター
でたくさんの可能性を試し、自分に適合したものだけ残して、矛盾した
ものや不要なものをつぶしてゆくことによって、個性というものを作り
だしてゆくのではないでしょうか。ここでもたくさんの無駄をする
ことが、ゆたかな人格形成に必要らしいことがわかります。『免疫学個人授業』 多田富雄 南伸坊 著
学問や研究を通じて、こんなことが言えるのって本当に素晴らしいと思います。
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