文藝春秋 2011五月特別号
吉本隆明の記事より
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先進国では戦後、経済に占める消費産業 ( = 第三次産業、サービス業 ) の割合が増加していて、日本でも一九九五年に全就業者に占める消費産業の割合が六〇%を超え、その後も年々増えています。
そのような消費産業が主たる産業となった社会では、所得を主な指標とした経済的格差よりも、労働時間の格差が重要な問題になります。つまり、あまり心身に負担をかけない労働をしているのに、多くの報酬を得られる人々と長時間、単純であるけれども、緊張や疲労を強いられる労働をしているのに、それに見合った賃金を得られない人々に二極化していきます。端的にいえば、都市における二十四時間体制のきめ細かいサービスを維持するためには、膨大なフリーターや非正規雇用者が必要とされます。
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個人的メモ
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