『アンダーグラウンド』読書記録

地下鉄サリン事件の取材ルポ。
村上春樹さんが、事件関係者62名の方を訪ねインタビューを重ねている。

この本のように、バイアスのかかっていない情報をたくさん集めると、
大事な共通する情報がいくつか抽出でき、真相に近づける気がする。
はっきりとした結論みたいなものは出ないけれど、事件について改めて
考えさせられるきっかけになった。
マスコミは結論を先に決めて、それに都合の良い情報を集め加工していることが
多々ある気がする。

自分も日比谷線を使ったことがあるな、西川口駅を使っていたな、
自分の両親も同じ歳だな、同じ新潟出身なんだな、千葉から京葉線使って
通勤しているんだな、など、関係者のインタビューを読んでいると自分と
リンクしてくるところが多々出てくる。

そうなってくると「ひどいことをするなぁ」とか、「お気の毒に」という
言葉だけでは簡単に済まされない気持ちになった。

777ページという本の厚さに少し購入するのをためらったけれど、
読み進めるのに努力はいらず、気づいたら読み終えていた。
読み終えてみると777ページではまだまだ足りないという気分になった。

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