佐藤雅彦さんが、著書 『 毎月新聞 』 のなかで紹介している佐藤さんがボストン
に訪れたときのエピソードが好きです。
僕はこれに影響を受けて教室内の空間を作っています。
『 それは、文字がないということだった。
グリーン車には、中吊り広告も、電車の側面にある額面広告もない。
そして、ボストンの街並みを見てみれば、やはり文字が目立たないのだ。ボストンでは、広告はおろか、自分の店の名前も外に大きく出すことは、街中で禁止している。声高に自分の店や建物を主張しているところはひとつもないのだ。
~
音量だけでうるささを計ること自体はそう難しいことではない。
しかし人の受ける「うるささ」はそれだけではない。目から飛び込んでくる雑多な文字情報だって脳にとっては充分 noisy (騒々しい)なのである。』
教室では、参加者の方が自分の身体に意識を集中できる環境作りを
心がけています。
教室内で使う備品の色は、白、緑、茶系の色で絞って、それ以上に
色の種類を増やさないようにしています。
文字を使うのも教室の玄関口だけにして、教室内では文字表記は使わない
ようにしています。昔は専門書を棚に置いてましたが、自宅に持ち帰りました。
自分の容姿も、なるべくシンプルなものにしています。
膝が隠れるハーフパンツにTシャツ。パンツのモモ横にモモに沿ってに
直線ラインの入ったもの、Tシャツのわき腹部分の色が違うもの。
自分の身体の動きを相手に見せるにはこの服装が良いかなと思っています。
髪型は美容師さんにおまかせですが、美容師さんが僕の職種を把握して
切ってくれています。
ストレッチマットのゴムの臭いが気になる方がいるので、アロマ入り
霧吹きをします。
レッスン中は、参加者の方が暑くも寒くもない温度調整を心がけています。
季節や参加者の方の年齢や性別、服装や、体型を見て、温度を調節します。
レッスン中の音楽は、ここ2~3年は変えていません。
変える場合でも歌詞の無いものを選びます。
参加者の方の脳に、余分な視覚情報(色彩、文字情報)、嗅覚情報、
皮膚触覚情報(温感)、聴覚情報を入れずに、自分の身体の運動に脳を
集中できる環境を作っています。
『 何も無い 』 を一生懸命作っているんです。
情報過多な時代ですから、こんな静かな空間があっても良いと思うんですよね。
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